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高橋かよ子平成21年度予算案に対する公明党意見開陳

 2009・3月24日

  私は公明党区議団を代表いたしまして、平成21年度一般会計並びに国民健康保険事業会計、老人保健医療会計、後期高齢者医療事業会計、介護保険事業会計、従前居住者対策会計の5特別会計の予算案と、第41号議案 平成21年度豊島区介護保険事業会計補正予算第1号に賛成する立場から意見開陳を行います。

意見を述べる前に、一言御礼を申し上げます。今回の予算審議にあたり、理事者の皆様には、資料要求を始め、事前調査に快く応じていただき、また、私どもの質問に対してその意を酌んでくださり、丁寧にご答弁をいただきました。おかげさまで予算内容や経緯について概略を理解することができました。大変に、ありがとうございました。

さて、平成21年度予算編成に当たって我が党は、1.区民の目線に立った行政運営となっているか 2.時代の変化に適応した事業展開となっているか 3.事業の改善、見直しなど行政の質の向上に取り組んでいるか 4.我が党の予算要望に応えられているか などを主眼に、慎重かつ厳正に審査に臨みました。

平成21年度予算は、100年に1度の世界的な金融危機の中、区財政においても都区財政調整交付金29億円の減をはじめ、合わせて41億円もの財源不足が明らかになり、大変厳しい財政運営を強いられました。しかし、こういう時だからこそ、区民の生活を守らなければなりません。区民サービスの水準を維持しながら、財源対策に取り組み、旧中央図書館売却収入の計上や起債の活用、大規模な施設改修等を延期して、財政調整基金を取り崩すことなく予算編成が行われました。

先行き不透明な中で、予算規模は微減となっているものの、サービス水準を維持する予算編成をされたものとおおむね理解するものであります。

以下、款別ごとに意見を申し上げます。

まず、一般会計の議会費・総務費でありますが、区議会ホームページについては、子どもたちが授業で豊島区を学ぶ時に、自分の住んでいる区の自治についても理解しやすいように、キッズページの開設等、子ども向けの情報発信を検討さるよう望みます。

次に定額給付金について申し上げます。私ども公明党豊島区議団は、特に定額給付金と子育て応援特別手当について、法案成立後、速やかに実施する準備を進めるため、①区民に対する周知の徹底 ②定額給付金の支給時期に合わせたプレミアム付き商品券の発行など、区民の生活支援と消費喚起という目的が達成されるよう高野区長に要望させていただきました。地元商店街で消費されてこそ、地域の活性化になり、本来の目的も達成されます。豊島区定額給付金担当課では、確実でスムーズな実施ができるようにと、毎日準備作業に取り組んでいただいております。

この定額給付金は、近年アメリカをはじめ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、オランダ、オーストラリア、韓国などの先進国で実施されている「給付つき税額控除」政策にきわめて近い政策であり、今やこうした給付は世界の潮流となっております。ところが日本では、「定額給付金では経済効果がない」という意見もよく聞かれました。しかし、最近の日本経済GDP成長率は、1%を超えない年も多いことを考えますと、0.2%でも押し上げる効果があれば、十分な経済効果であります。景気が急激に悪くなっている現在、既存の貯金を取り崩して暮らしている方がさらに増えている中で、生活資金の一部として使っていただければ、生活支援に加え内需拡大にもなります。

今、どんな政党が政権の座にあっても、景気浮揚を図るためには、この「個人消費」に刺激を与えなければならないことは火を見るより明らかです。

本区では、4月12日から申請書が送付されますが、無事故で実施し、豊島区民の生活支援と地元商店街の活性化につながることを期待し、準備にあたっていただくことを改めてお願いいたします。

次に、「くらしのガイド」「携帯電話版ホームページ」「広報としま」については、区民と区政をつなぐ重要な媒体であることから、より便利で使い易く、また身近な所に配置する等の利便性の向上を求めます。

また、、池袋駅周辺混乱防止対策訓練の課題である災害情報の発信については、「エリアメールの導入」やアマチュア無線愛好家との連携を検討されるよう要望します。また、帰宅困難者対策については、さらに企業や学校に協力を求めるよう条例改正も含めて検討を望みます。

中高層マンションの防災対策については、区の防災課が管理組合に積極的に助言や指導を行い、有効な防災訓練や対策が行えるよう取り組みお願いいたします。

次に福祉費・衛生費でありますが、健康チャレンジ事業については、区民の健康への取り組み意欲を高めていけるよう、内容を充実させるとともに事業のPRに努め広く区民参加を促すよう求めます。

また、待機児童対策のひとつである保育ママ制度については、より安心して預けられるよう、国の補助制度を活用するなどその増加に努められるよう望みます。

さらに、がん検診については「がん対策基本法」に示された がん検診受診率50%をめざし、休日診療機関の広報や意識啓発に努められるよう望みます。また、乳がんについては増加傾向にあり、乳がん検診受診対象外となる若年層にもみられるようになっており、若い女性からは不安の声が上がっております。乳がんは自分で触れられる唯一のがんであり、早期に発見し治療をすれば90%以上が治るといわれております。そこで、自己検診で早期発見ができるよう乳がんの自己検査グローブの配布に取り組まれるよう要望いたします。

また、予防接種については、麻しん・風疹の接種率向上に努められ、日本脳炎の再開に際しては迅速に対応されるよう望みます。また、子どものインフルエンザ予防接種の助成については、区民から要望の声が多いことから、引き続きご検討をお願いいたします。

さらに、「子育て応援ふくろう」については、同封されるスマイルカードについて、より多様なサービスが受けられるよう、利用者の声を聞き十分検討されるよう望みます。

また、福祉タクシー以外の方策として、高齢者や障害者の移動の利便性を図るため、民間事業者等との協働をはかられるなど様々な研究をされ、区民の利便性向上に努められるよう要望いたします。

さらに、発達支援につきましては、東京都のモデル事業を継続して支援プログラムの開発に努められ、ライフステージに合わせて一貫した支援ができるよう体制整備を望みます。また、早期発見のため、5歳児健診や相談等も検討されるようお願いいたします。

次に、清掃環境費・都市整備費・土木費でありますが、グリーンとしま再生プロジェクトの「学校の森」植樹祭等の区民の参加と地域の協力が必要な事業については、区民への周知を徹底され、環境問題への意識啓発を図られるよう望みます。また、都が実施予定の省エネアドバイザーとの連携も強化するよう希望します。

また、太陽光エネルギー機器については新しい技術の開発などの情報を収集し、国・東京都・区の補助金が活用しやすくなるよう、専門の相談窓口を設置し、きめ細かい相談体制を整えられるよう要望いたします。

さらに、大塚駅周辺整備については、放置自転車対策として、南口地下駐輪場を含む周辺の駐輪場整備を着実に図られるよう望みます。また、駅前広場の整備については、地元の意見も充分取り入れ、魅力ある駅前空間の整備に努められるよう要望いたします。

また、コミュニティバスについては、22年度運行開始に向けて速やかにルートや停留所を確定され、将来的には他の交通不便地域への拡大も検討されるよう望みます。また、運行にあたっては、高齢者のシルバーパス適用や障がい者の運賃減免等も検討されるよう要望いたします。

さらに、池袋副都心整備ガイドプランについては、グランドビジョンを実現するための重要な工程表であることから、区民の意見をよく聞きながら、区民が希望を持てるプランとなるよう期待いたします。

また、耐震助成については、メニューの選択支が多くなり、これからの広がりが期待されますが、区民へのPRに努められ、申請書類や手続きについても簡易にできるよう望みます。

さらに、都市復興マニュアルについては、復興計画策定の中で区民の土地建物や財産権にかなり制限がかかるため、平時からの区民との合意形成が課題となります。被災想定や課題を区民と共有し、速やかに生活復興マニュアルの策定も含めて検討されるよう要望いたします。

次に、文化商工費・教育費でありますが、トキワ荘については豊島区の重要な文化資源であることから、周辺の公共施設整備の際には、モニュメント等を設置されるよう要望いたします。

また、次世代文化の担い手育成事業については、本物の芸術に触れられる絶好の機会であり、区民から大変好評であるので、内容をさらに充実され拡充を図られるよう望みます。

さらに、公衆浴場空白地帯の住民動向調査については、高齢者等少しでも多くの区民の意見が聞けるように取り組んで頂き、その声を速やかに区民が希望を持てる政策として反映されるよう望みます。

また、土曜補修アカデミーについては、土曜日の午後にも行うなど回数を増やし、また、開催場所についても拡充を図られるよう要望いたします。

さらに、若手教員の育成については、豊島区教育ビジョンでうたわれている教師力向上への取り組みと共に、若手教員が育っていく仕組みづくりに取り組まれるよう望みます。

また、水曜トライアルスクールについては、子どもたちが意欲的に取り組めるよう充実され、更なる拡充を図られるよう求めます。

さらに、子どもの読書活動については、一番身近な学校図書館を充実させることが最重要課題であります。十分な予算を確保し、地域図書館や地域、保護者との連携を強化して、学校図書館の再生を図られるよう強く要望いたします。また、子ども読書活動推進計画を速やかに改定し、文化芸術創造都市としてふさわしい子ども読書活動の取り組み強化を要望いたします。

また、特別支援教育については、就学児検診の強化と「つまずきを発見するシステム」や、「対応スキルを引き継ぐシステム」づくりに取り組まれ、有効な支援体制が構築されるよう望みます。

次に、歳入についてでありますが、特別区債について残高は20年度末で405億円であり、旧街づくり公社の借入金残高を合わせると、負債残高は479億円となります。景気動向を鑑みて、借金を減らす努力を引き続き行っていかなければなりません。今後予想される大規模な公共施設改修等に備えて、区民サービスの水準を維持し、スリムで効率的な行政運営となるよう望みます。

さらに、5特別会計についてでありますが、特に介護保険事業会計については、有料老人ホームの利用者が増加していることから、本区として適切に運営が行われるよう指導・監督をされるよう要望いたします。また、介護ライブラリーは区民が利用しやすいよう運営に配慮され、介護のしくみについて理解しやすいビデオ等の作成に取り組まれるよう望みます。

以上、款別ごとに意見・要望を含め述べさせていただきました。

今後、先行き不透明な景気動向の中で、厳しい財政運営が続くと予想されます。私どもは生活現場主義で、これまでの改革で得た教訓を生かしながら、豊島区の未来を見据えた更なる改革に取り組んでいく覚悟でございます。

私ども公明党豊島区議団は、平成21年度一般会計並びに5特別会計の予算、及び第41号議案の介護保険事業会計補正予算に賛成をいたします。

退職される理事者の皆様方には、区制発展のためのご尽力に対し、敬意と感謝を申し上げます。長い間、ありがとうございました。

以上をもちまして、公明党の意見開陳を終わらせていただきます。ありがとうございました。