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「未来に希望の持てる豊島」を目指して!

(12月3日登壇)

公明党の西山陽介でございます。公明党区議団を代表して、「未来に希望の持てる豊島」を目指して!のテーマのもと、1.温暖化対策について、

2.防災対策について、3.その他について質問をさせていただきます。

先の第3回定例会における19年度決算に見られましたように、本区は、

4年連続の黒字を達成され、区民サービスも徐々に復活・拡充されるなど、

行政にも明るい兆しが見えてきておりました。

しかしながら「100年に一度」と言われる世界金融危機、株価下落の一途は、ごく普通の庶民の間でも「大変なこと」と、言葉が行き交い、10年後、20年後の、そして老後の自分の人生がどうなっていくのか、という将来不安が口々に聞かれるところであります。国際経済の低迷は国内の輸出産業や中小企業

などに大きな打撃を与えている状況にあります。私はこれからも、そういった区民からの不安や痛みに同苦する心を忘れずに、議会の一員として未来に希望の持てる豊島区を目指して、さらに努力してまいる決意であります。

まず大きな項目の1番目として、温暖化対策について伺います。

地球温暖化を防止するための京都議定書の約束期間が本年より始まりました。その中で我が国は2012年までに90年比で6%の温室効果ガス削減を約束しています。本区におきましては、本年3月に制定された環境基本条例をもとに、今後10年間において、全国一の超高密都市 豊島にふさわしい、スピード感ある先端的 環境政策実行のための、環境基本計画を策定中と認識しております。昨年、国が実施した環境にやさしいライフスタイル実態調査によると、環境問題への関心を尋ねたところ、最も高い項目は「地球温暖化」(91%)であり、環境問題に対する考え方では、「環境意識を高めること」や「大人にも子どもにも、環境教育や環境学習の重要性」そして「一人ひとりの行動が、環境に大きな影響を及ぼしている」ことなど、これら回答はいずれも95%以上の方が答えております。また環境保全行動として、ごみ出しや節電・節水等の「個人」で対応できる行動は概ね実行されているようですが、一方「物・サービスを購入するときは環境への影響を考えてから選択している」と答えた方は22%に

とどまっている現状があります。

同様に本区においても昨年、協働のまちづくりに関する区民意識調査を実施されました。その報告書の中で生活環境に対する質問に対し、ヒートアイランド対策や地球温暖化対策など、環境に配慮した行動を最も優先されるべき、

との結果でありました。

このような区民意識とともに、低炭素社会の実現は、後戻りできない世界的な潮流となりつつある中で、環境都市づくり元年と銘打ち、将来、愛する豊島区を しょって立つ未来世代に対し、より効果的な施策と行動を着実に実行することが重要と考えております。

まず第1の質問は、環境都市づくり元年として、環境政策における戦略プロジェクト等の進捗に対し、概括的に現時点での評価をお聞かせください。

本区では環境審議会を通じ、環境基本計画を策定中ですが、本質問の趣旨もCO2排出量削減への取り組みに着目したものを取り上げたいと思います。そのような中、昨年度から実施した家庭用高効率エネルギー機器整備支援事業、エコライフ情報誌「エコのわ」の発刊をはじめ、本年は太陽光エネルギー機器導入支援事業等、CO⒉削減のための事業を展開されましたことは、大いに評価致すところでございます。

低炭素社会を実現するために、CO2排出削減を行政でできるもの、かつ区民や区内事業者への誘導を促すべき施策をどの時期にどれだけ導入するべき

かが検討の対象と考えます。

一方本区の目指す将来像として「歩いて暮らせる街づくり」が低炭素社会実現への重要なテーマではないでしょうか。もともと住宅とオフィス、商業施設が混在・集中している池袋は移動距離も短く、公共交通機関も高いレベルで存在しているといえます。しかしながら低炭素な安心・安全な街づくりは、コンパクトシティ化による、環境にやさしく歩いて移動できる空間創出のためにも、通過交通となる自動車の進入抑制を検討せざるを得ません。環境審議会においても、このことが方向性として述べられておりますが、具体的施策の展開の

前提として、区民の温暖化に対する危機の共有や、低炭素社会実現への理解と合意を図られることが、これまで以上に必要であると考えますが、この点についてご所見を承りたいと存じます。

一般にこれまでの住宅の平均寿命は35年と聞いておりますが、長期的な視野に立つとき、今後の区内建て替え需要の際には、寒くなく過ごしやすい、また自然エネルギーを導入した省エネルギー型高断熱住宅へと誘導することも、快適性の高い居住空間と省エネ性能が両立した住宅ストック構築が必要と考えます。そこでこれまでの住宅性能表示制度の普及に加えて、省エネ環境性能を区民が評価・入手できる仕組みを導入すべきと考えますが、ご所見を伺います。

家庭やオフィス内では、快適で効率的な生活や仕事を行っていくために、多くのエネルギー機器が稼働しており、これらCO2を大幅に低減するためには、建物内の冷気・暖気を逃がさず、太陽エネルギーや自然の風を建物内に取り込むことが重要であることが最近の報道等で顕著になったといえます。しかしながら私たち区民にとってエネルギー効率が、大きく改善された機器が開発されても、利用者が積極的に導入を進めなければ普及はおぼつきません。太陽光発電や高効率機器といっても、一般区民や高齢者世帯にとって、はたしてどれだけ我が家に効果があるのか、どういうものを選べばよいのか、手続きはどうすればよいのかなど、これら区民の現実に知り得たい情報取得に対して、先の決算特別委員会での答弁では、対応する相談窓口を設置するとのことでした。そこで伺います。区民へのきめ細かい相談に応じながら、これら新エネルギーや省エネルギー機器の導入に対する支援・助成に対して、来年度からは加速度的に導入を推進すべきと考えますが、確認を含め具体策についてお知らせください。

一方私たち区民も、これまでのライフスタイルを低炭素型生活に転換する環境意識を持たなければならないと思います。とはいってもCO2を低減させることは理解しつつも、実際の生活や消費行動の中で、目に見える形でなければCO2を削減する成果が得られないことが考えられます。そこで国の方では商品の資源発掘から廃棄までに排出される温室効果ガスをCO2の量で『見える化』いわゆる可視化表示する取り組みがあると聞きました。この炭素の足跡をたどるカーボンフットプリントが今後、市場へ流通する際には、是非セミナーや分かりやすい周知等について取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

続いてエコポイント制度について伺います。国はレジ袋の削減や省エネ商品の購入などに特典を与える、エコポイント事業を今年度、全国型3事業、地域型9事業をモデル指定して行っております。また先月からは大手クレジットカード会社が環境省の委託を受け、「エコ・アクション・ポイント」として全国展開する動きも始まりました。具体的には商品の場合、省エネ緑マークの付いた家電製品を購入したときや、行動としては自動車を使わず公共交通を利用したり、レジ袋を使わない買い物などに対しポイントが付与されるものです。

前述では意識啓発が重要だ、と申し上げましたが意識が高まれば自然に行動につながるともいえません。つまり区民や事業者などが進んで温暖化対策に「取り組みたくなる」とか「取り組まないと損をする」仕組みを導入すべきであります。消費者にとって自然な形で環境に配慮した行動を促すために、家庭部門における温暖化対策の切り札である、エコポイント事業を本区においても区民への周知・理解につなげることは必要と考えますが、ご見解を伺います。

また前述しました太陽光エネルギー機器購入もポイント付与の対象であることから、これらを絡めた区民への導入啓発につなげてみてはいかがでしょうか。合わせてご見解をお願いします。

これまでの質問はCO2を削減するための取り組みを趣旨としてきましたが、低炭素社会を実現することは単に温暖化を防ぐということだけではないと

思われます。私たち区民は、平穏でどんな危機に直面したとしても、幸せな暮らしを続けたいと願うものです。

一昨年の夏、区内に住む知人が熱中症を原因として、帰らぬ人になりました。

熱中症は大量の汗の流出や体温上昇によって引き起こされる障害の総称ですが、大量の汗で体内塩分が不足し、体の筋肉がけいれんする「熱けいれん」、脱水症状によって頭痛や吐き気・めまいなどの「熱疲労」と、体温上昇によって意識障害や失神を起こし、死に至ることもある「熱射病」があります。これらは、起因の一つに温暖化や都市部であるヒートアイランド現象も否定できません。学校では部活動に限らず、細心の注意が必要ですし、熱中症は室内にいても、高齢者や子供がいる家庭は特に油断できません。本年8月5日付広報としまでは、「熱中症に注意しましょう」のタイトルで注意喚起を促しましたが、健康被害の重大さを鑑みれば、分かりやすい症例とともに、「症状を感じたらすぐ119番」の表記も決して大げさではありません。来年度からは、本格的な暑さに体が慣れる前から、熱中症の症例と予防情報の区民への周知に対して、特段の取り組みをしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

また熱中症の危険度は、気温だけではなく、湿度、輻射熱の3要素で組み合わされ、その暑さ指数は、WBGT(湿球黒球温度)で判断されます。この度数によって、原則中止から厳重注意、警戒など5段階に運動指針が分類されております。環境省では東京大手町の測定箇所を携帯電話のインターネットを通じて、速報情報を提供しています。また岐阜県多治見市は平成18年より、熱中症指標計を設置し、指標が一定以上となった場合は、市内公共施設や事前登録した希望者に携帯電話のメールで「熱中症注意情報」を出しております。この取り組みにより重症者も死亡者もほとんど出ないと聞いております。温暖化防止の取り組みとともに、広く区民や来街者の安心・安全のためにも、湿球黒球温度による熱中症指標情報の利活用や、ハンディタイプの専用測定器もあるようですので、これら導入の検討について、ご見解をお願いいたします。

本区は友好姉妹都市として11の自治体と交流を重ねております。環境都市づくりの側面においても、これら友好自治体との温暖化対策に向けた情報交流を重ね、相互の自治体が互いに目標を達成できる価値を生み出すべきと考えますが、防災サミットに続く環境サミットなど、お考えがありましたらお聞かせください。

またすでに締結している友好自治体は、いずれも自然豊かな土地柄のところばかりです。今後温暖化対策を進めていく上では、本区に類似した課題を抱える都市との 交流も参考となるのではないでしょうか。国内のみならず、海外の都市にも目を向け、高密都市同士の課題解決と相互の発展のための会議体を模索すべきと提案しますが、ご所見をいただきたいと存じます。

大きな項目1番目の最後に、環境学習の取り組みについて伺います。

本区ではこれまでも環境学習について、様々な取り組みを実施され、子供たちへの環境配慮への意識啓発と習得に努められてきました。地球温暖化防止月間である今月、区内小学校の参加校は、省エネチャレンジを実施します。家庭でのCO2削減が目に見える形を通じて、子どもたちの取り組みが、家族の取り組みに波及することがカギになると考えられます。今後におきましても、特に学校教育の中では、日々の各教科や総合的学習の時間、移動教室や林間学校での体験学習、また地域での活動等のあらゆる過程・場面においてCO2削減を中心とした環境保全のための学びや実践をさらに推進し、将来に向けた環境都市豊島を担う人材育成を目指すとともに、学校活動における環境負荷削減を推進すべきと考えますが、ご所見をお聞かせください。

また私ども会派は、先の決算特別委員会でも環境学習の取り組みに対して質問しましたところ、国のモデル事業に手をあげていきたいとのご答弁をいただきました。これは特に環境問題に配慮した学校として、「クールアーススクール」を登録する制度が、来年度より具体的検討が始まり、平成24年度からは全国展開されると聞いております。改めまして本区におきましても是非、積極的な取り組みを願うものですが、検討状況等についてお考えを賜りたいと存じます。

 

大きな項目の2番目として、防災対策について質問いたします。

初めに、災害時や停電時における電源供給の備えについて質問します。私も参加させていただきました、過日10月23日に行われた防災サミットin魚沼では、参加された自治体より発災後から災害対策本部を立ち上げるまでの所要時間について意見交換がなされました。災害の程度にもよるわけですが、本区におきましても段階別に計画が策定されておりますが、いざ災害時に備えたものが機能しなければ、計画的に行動できないことは、言うまでもありません。4年前に起きた新潟県中越地震では、県防災行政無線の市町村端末に予備電源が無かったことや、未接続だったことにより、利用できないところがありました。そこで伺います。本区の救援センターなどの非常用発電機等、機材の点検はどのように行われておりますでしょうか

またこれら機材の設置状況は、耐震対策や落雷対策など、十分に考慮されているかどうか、また定められた体制で継続して点検・実行されていることと思いますが確認を含めて、状況をお聞かせください。

 

ところで今年の夏は異常気象というか、雷雲が多く発生し、庁舎別館では停電も起きました。数時間ほどで復旧したところですが、少なからず区民への影響があったと考えられます。また本区が配置している非常用発電機は人が手動で起動させるものと伺っております。大災害時においては、例えば夜間に発生したとき、暗闇の中で人が発電機を探して、迅速に電源供給するには、現実的には厳しい状況も容易に想定されます。非常事態になったとき、照明の早期復帰は人間にとって無用な不安感をいち早く解消させるものではないでしょうか。また照明に限らず、昨今は多くの情報通信機器に頼っています。簡易な発電機では電波の質/波形が不定期になり、結局は常用電源が復帰するまで待つことにもなりかねません。最近では常用電源が寸断された時点で感知により、人の手によることなく自動的に装置内のエンジンが運転し、自家発電にて送電され、常用電源が復帰した場合も自動的にエンジンが停止するような、小型発電装置があると聞きました。施設全体をカバーするには、大がかりな設備が必要になり、コストも大きなものになってしまいます。そこで3日間ほどの容量のものでありながら、常用・自家発電源いずれの運転・停止の操作が,無人の環境でできる自動起動式小型発電装置を災害時での重要な施設では、積極的に導入を検討すべきと考えますが、ご所見を伺います。

 

人間生活にとって照明が遮断されることは、とても不安を掻き立てる心理があります。非常時には尚更のことと思います。そこで商用電源を必要としない自然エネルギーを利用した照明設備の配置も検討すべきではないでしょうか。池袋駅前公園内にあるモニュメントのイルミネーションは、風力や太陽光により発電しております。発電量は気象条件で左右されることから、道路照明や

建物内には不向きではありますが、公園や救援センター機能のある施設の屋外などに、この自然エネルギーを利用した長寿命のLED照明の配置を提案しますが、ご見解をお願いいたします。

 

災害時、区民への情報配信に対する取り組みについて質問します。

昨年の第4回定例会での一般質問で私は、防災士育成に取り組むべきと取り上げましたが、この度本区では、特別区協議会が主催する防災士養成講座に5人の職員を派遣し、実践的な活動により知識と技術を習得することに対しまして、大いに評価させていただくところでございます。過去の災害を振り返りましても、休日や夜間に発生することも少なくありません。今後もこの防災士や地域防災リーダー育成への継続的な取り組みに期待しております。同じく昨年の質問の中で災害時における、としまテレビとの連携について伺いました。インフラ上有線での媒体ですので、発災直後よりも電気やケーブルなどの復旧後に区内情報発信には欠かせない存在であると思います。そこで伺います。としまテレビとの連携について、今後の具体的取り組みに対してのご見解をお聞かせください。

あわせて災害時における、区民に対する今後の情報配信の全体的な取り組みについても、ご所見をお願いいたします。

 

その他について2点質問させていただきます。

初めに外見から見えない障がい者支援について質問いたします。

本年3月末現在、本区の身体障害者手帳保持者は、肢体不自由の方が最も多く、次いで内部障がいの方は全体の約3割に及んでいます。内部障がい者は外見上、健常者と変わらなく見えることも多く、社会の認知が低いため、日常の中で思わぬ誤解を招き、心が傷つくこともあります。例えば電車・バスに乗り、優先席に座ると周囲から冷たい視線を浴び、座る権利があるにもかかわらず、後から来た高齢者に席を譲るケースも少なくありません。また自動車で病院等の障がい者マークの付いた駐車スペースに停車すると、警備員さんなどから、あからさまに移動するよう注意されることもあります。このように街中には“車いすに座った人”をデザイン化した「障害者のための国際シンボルマーク」を見かけますが、これは本来、すべての障がい者が利用できる建物・施設であることを表示したマークです。よって車いすを使用する方に限定されたものではありません。これは全体として正しい理解が浸透されていない現実があります。また知的障がいや高次脳機能障がいの方々におかれても、同様な無理解がまだまだバリアとして存在していると考えられます。そこで伺います。内部障がいをはじめ、知的障がいや高次脳機能障がい等の一般的に外見上、それと分からないことの状況に対して、権利擁護の観点からも社会の理解を得られるように、これまで以上に周知する機会を多くするべきと思いますが、取り組みについてお聞かせください。

また特に内部障がい者を示す「ハート・プラス」マークの普及が全国的に広がりを見せています。このマークは特定非営利 活動法人ハート・プラスの会が発案したもので、法的拘束力はありませんが、社会の認知向上のため、区ホームページや広報等に、このハート・プラス・マークの存在を広めることを提案しますが、ご所見をお願いします。

そして障がい者が安心して外出する機会を多くするためにも、私たち健常者は益々理解を深めるとともに、何かあったら関わろうという意識を持ちつつ、障がい者の方がちょっと手伝ってほしい時などに、周りの方への“声掛けに代わるようなカード”などがあると、周りの方はきっと進んでお手伝いに応じると期待します。今日12月3日は「国際障害者デー」にあたり、9日まで「障害者週間」でもありますが、このような豊島区らしい、優しさあふれる工夫に対しましても、積極的に取り組んでいただきたいことを願いますが、ご見解をお願いいたします。

 

最後に地域の放置自転車対策についてお尋ねします。

池袋一丁目内は細い道路が多く、比較的駅に近いこともあって、路上に自転車を止められてしまうことも、度々散見されます。自動車が通行する際、歩行者に支障を来す場面もよく見かけますし、近くに救急指定病院もあることから、地元からも放置自転車対策の強化を求められております。この程、池袋大橋わきに建設中の 池袋駅北第二自転車駐車場が開設の運びですが、この開設に合わせて、周辺の放置禁止区域拡大が実施されると聞いております。また通称劇場通りも、自転車通行帯に多くの自転車が放置されている現状ですが、この

地域も今回の区域に拡大されるとのことです。これからも地元区民の声を聞いていただきながら、歩行者と自転車が十分に安全通行できる地域が広がることを願うところであります。今後の放置自転車対策の取り組みをお伺いして、最後の質問とさせていただきます。

 

以上で私の一般質問全部を終わります。ご清聴、まことにありがとうございました。