平成30年9月26日登壇

平成30年 第回定例会 一般質問「未来を担う子どもたちのために、住み続けたい街を目指して」

公明党  西山 陽介

私は公明党区議団を代表して、「未来を担う子どもたちのために、住み続けたい街を目指して」と題し、1.東アジア文化都市開催に向けて、2.高齢化への対応とフレイル予防について、3.池袋本町・上池袋地域の不燃化について、4.防災・震災対策について、5.教育での課題について一般質問をさせていただきます。

西日本豪雨の爪痕が未だ残る中、9月4日には台風21号の上陸による大雨被害、6日には北海道胆振(いぶり)東部地震が発生しました。亡くなられた方々のご冥福と、被災されたすべての方々にお見舞い申し上げます。

私ども公明党は、この4月より国会議員から地方議員まで全国約3000名の議員が一軒一軒訪問してアンケート調査を行う「100万人訪問調査」を行いました。アンケートは、介護、子育て、中小企業、防災・減災の4分野です。7月6日までに集めた81万2755人分のアンケートの結果からは、国民が抱えるさまざまな不安が明らかになりました。

大まかに述べますと、7割を超える人が教育費の負担に不安を覚えており、介護に直面している人の約6割が「家族の負担の大きさ」を感じています。今後も教育費負担の軽減や要介護者を支える「地域包括ケア」など施策をさらに拡充する必要があると考えます。

中小企業支援策については、6割近くが利用した経験がある一方、利用経験がないとの回答のうち、その理由として「制度を知らない」が半数を超えました。さらなる制度の周知強化など、利用者の目線で知恵を絞りたいと思います。

防災・減災面では、改善が必要な場所として、「空き家」や「道路」が上位を占め、いずれも3割を上回りました。相次ぐ自然災害により、身近にある危険箇所に対する対応が急がれます。

この訪問・調査運動について、読売新聞・特別編集委員の橋本五郎氏は、今の調査はインターネット(や郵送)などになって、直接の話でなく機械を通じて本人が見えない状態だから、そういう場を幾つも設けるべきだと、対面調査の重要性に言及されました。

今後も私どもは、「現場第一主義」に徹し、「現場の声」から浮き彫りになった地域の課題解決へ全力で取り組む決意であります。

1番目に、東アジア文化都市開催に向けて質問します。

「はらはら、どきどき、文化がいっぱい。」東アジア文化都市開幕まで、いよいよ5か月となりました。8月30日には日中韓文化大臣会合が行われ、韓国仁川(インチョン)広域市に続き、中国西安(シーアン)市が開催都市となり、豊島区において国家的文化事業を迎えられることは、大変に光栄なことと思います。

昨年6月には文化芸術基本法の改正があり、「文化芸術に関する施策の推進に当たっては、乳幼児、児童、生徒等に対する文化芸術に関する教育の重要性に鑑み、学校等、文化芸術活動を行う団体、家庭及び地域における活動の相互の連携が図られるよう配慮されなければならない」とあります。

私はこの理念にのっとり、この東アジア文化都市事業が将来を担う子どもたちに、体験とその後のレガシーとして受け継いでいってもらいたいと願っています。

3か国の文化に触れ、体験し、見て素直に感じたことや思ったこと、気付いたことをみんなで言葉にしていくことは、大変すばらしいことではないでしょうか。子どもたちは、よく見て、さまざまなことを考え、それを話し、友だちの意見も聞くでしょう。この「見る」「考える」「話す」「聞く」の循環の中で、多くのことを経験し学ぶことができます。子どもたちの自由に感じたこと考えたこと、今後の人生の骨格形成に値するものであります。大人には見えなくとも子どもだから見えるものもあるかもしれません。この経験は子どもにとっても大きな自信につながるのではないでしょうか。

高野区長のコメントの中で「特に子供の交流を重視」していきたい。また7つの目標を掲げておりますが、その中の「豊島区の未来を担う人材の育成」とあります。大事な視点だと考えますが、具体的な取り組みについてお聞かせください。

今後も推進協議会の皆様のお力添えをいただきながら、区民全員参加となるよう、会派としても尽力してまいります。

この度3つの都市が決定したことを受けて、改めて東アジア文化都市2019豊島にかける高野区長の意気込み、また最も注力される視点などをお聞かせいただきたいと存じます。

2番目に高齢化への対応について質問します。

今年第二回定例会でのわが党中島議員より、今後の高齢化への対応について質問しました。

答弁では、持続発展都市に向けた4つの柱の一つとして、全区を挙げての総合的な高齢者・福祉対策を打ち出していきたい。また保健所の移転を契機に健康センターを含めた対策を今年度中に取りまとめて、高齢者にやさしいまち、全国のモデルとなる、全国に誇れる豊島区方式を示されるとの、大変に力強い施政方針をいただいたところであります。

人生100年時代を迎え、多くの高齢者がPPK(ピンピンコロリ)を願望しますが、実際にはなかなかそうはいかないものです。加齢に伴う虚弱化(フレイル)を遅らせ、「健康寿命」の延伸を図ることが超高齢化時代の喫緊の課題であると考えます。

豊島区高齢者クラブ連合会からは、「高齢者にやさしいまち」づくりの施策に取り組んでほしいとのご要望を伺っております。

時経ずして本区は「高齢社会対策プロジェクト(PJ)の推進」を掲げ、PJ本部を設置されました。まず対策PJの目的と、目指すべき目標について伺います。

さらに目標達成にむけた、具体的取り組みについてお示しください。

今回私の方からは、加齢に伴う虚弱化の予防、いわゆるフレイル予防について取り上げさせていただきます。

フレイルは、要介護になる一歩手前、健康な状態から要介護になるまでの間の状態とも言えます。フレイルは適切な対応を取れば、さまざまな機能を回復できる状態であるとしています。また多面性があり、筋力が衰える「身体的フレイル」、うつや認知機能が低下する「心理的・認知的フレイル」、独居や経済的困窮、孤食による「社会的フレイル」の三つがあります。

徐々に身体や認知能力が低下し、医療や介助を必要とする時がくる。誰もが住み慣れたところで安心して自分らしく年をとることができる生活環境を整備するためには、住宅や移動手段などのハードのインフラと、医療と介護、年金などの社会保障制度や希薄化した人の繋がりづくりなどソフトなインフラの両方に取り組む必要があります。

過日の報道では、75歳以上の後期高齢者の人口は1770万人で、65歳から74歳の高齢者の人口1764万人を上回り、高齢者の人口全体の半数を超えたそうです。これから最も増えるのはこの75歳以上の人口です。2030年には全人口の約2割が75歳以上との予測もあります。そして、75歳以上の世代の8割近い人が自立した生活が徐々に困難になって、介護を必要とするようになることが予想されるのです。

したがって徐々に生活機能が低下するフレイルを少しでも遅らせ、たとえ2年でも3年でも健康寿命の延伸を図っていくことが重要な課題と考えます。

この加齢に伴う虚弱化をどう遅らせ「健康寿命の延伸」を図られるのか、本区の基本的な考え方をお伺いします。

次に口腔機能を計測する機器の導入についてです。

口腔機能の負の連鎖、つまり残っている歯が20本未満、かむ力が弱い、舌の力が弱い、滑舌の低下、硬い食品が食べづらい、むせが増えてきたなど、口腔機能の低下であるオーラルフレイルは、全身の虚弱に先行して現れるそうです。調査によると、このオーラルフレイルの人は要介護認定や死亡のリスクが2倍以上とのことです。

区歯科医師会からは、このオーラルフレイルを早期に把握することはフレイル予防に有効であり、口腔機能低下を計測できる機器として、舌圧計、咬合力分析計などがあると伺いました。区としてもこれら機器を導入するなど、フレイル予防に活用しては如何でしょうか。ご見解を伺います。

次にフレイル予防についての普及・啓発についてです。

10月5日には介護予防大作戦!inとしま2018が開催されます。テーマは「健康長寿は地域とつくる~人生100年時代のフレイル予防~」です。

高齢者のみならず、幅広い世代にフレイル予防の大切さを周知することも大事かと思いますが、フレイル予防の普及、啓発について、区の認識について伺います。

次にフレイル予防の具体策についてです。

フレイル予防は、人が自立して生きていくための基本的な機能である『食べる』『歩く』『人と会話する』ことにターゲットを置いたもので、「適切な栄養の摂取」、「体力の維持・増進」、「社会参加の促進」を進めることです。これは健康長寿のための三つの柱とされています。これらは、福祉部門の行政のみでは困難ではないでしょうか。地域ぐるみの運動として皆が参加して、どう実践し継続できるかが重要です。

これら栄養摂取、運動、社会参加について、現在の区の取り組みを伺います。

次にフレイル予防サポーター制度の導入と活動拠点についてです。

フレイル予防の推進には、生活機能評価(フレイルチェック)を行うことが効果的といわれています。

これらのチェックを誰が担うのか、それがフレイル予防サポーターの方々です。一例をあげますと、フレイル予防サポーターという方は、まず勉強し、養成講座を受講して認定を受けた方で、高齢者自身そのものです。健康意識の高い人だけではなく、地域のさまざまな高齢者が自由に身近に気軽に参加でき、そこには同じ高齢者のサポーターがフレイルチェックの説明を行い、その結果についてアドバイスをし、地域サロンのような場所、そうした場所を自主的につくってもらうというものです。

そうしたチェックする担い手が、行政だけではなく、住民の高齢者、区民、そして区民による区民のためのフレイルチェックということが私は大変注目すべき視点であると思っております。

健康への情報を十分に持ち合わせて、意識の高い人ばかりではなく、地域のさまざまな高齢者が自由に気軽に参加できることを目指し、動機づけとして意識を変え、行動を変える。フレイルチェックを行うことで自意識に目覚め、おせっかいをやかれながら、触発をされながら、励まされながらフレイル予防に取り組める、このおせっかいをやくようなフレイル予防サポーター、高齢者自身が区民による区民のためのフレイル予防サポーター、こうしたものを本区でも養成し、また区内各地域へ活動拠点を設けるなど、高齢化への対応の中にフレイル予防を位置付けていくべきと考えますが、ご見解を伺います。

次に健康長寿を目指すうえでの指針の策定についてです。

健康長寿を目指す上で、高齢者の就労や学びの場の提供も必要ですし、高齢者が健康でいきいきと暮らせるためのハード・ソフト合わせた指針の策定が必要ではないでしょうか。例えば(仮称)「豊島のいきいきワクワク人生100年プラン」の策定です。

人生100年時代へ、高齢者が健康でいきいきと暮らせるための指針を策定しては如何でしょうか。ご所見をお伺いします。

3番目に池袋本町、上池袋地域における木密地域不燃化について質問します。

木造住宅密集地域を「燃え広がらない・燃えないまち」にするため、10年間の集中的・重点的な取り組みで改善を進める木密地域不燃化10年プロジェクトを平成24年1月に策定しましたが、木密地域の特に池袋本町・上池袋地域不燃化の促進について、その進捗状況について伺います。

次に特定整備路線補助73号線、82号線の現在までの進捗状況と、平成32年度までの整備目標に対して、現在の状況と課題をお聞かせください。

これら整備により、地元の病院が立ち退き予定となり、地域住民の不安な声が寄せられています。旧文成小学校跡地の再整備では、地域で失われた病院機能をはじめ、生活インフラを集約してはどうか、との声も上がり始めています。これらのことについて区の認識と今後についてご見解を伺います。

4番目に防災・震災対策について質問します。

はじめに本区のハザードマップについてです。

大規模な洪水や土砂災害が広範囲で起き、多くの犠牲者を出した西日本豪雨、9月4日には台風21号の上陸、9月6日には北海道で震度7の大地震が発生するなど、改めて見直されているのがハザードマップ(被害予測地図)の重要性です。

ハザードマップは、地形や地質などから洪水や土砂災害のほか、地震、津波、噴火などの自然災害を予測し、警戒すべき区域や避難ルートなどを明示。住民は居住地の危険度を認識し、備えを進めておくことが可能です。

甚大な被害が出た岡山県倉敷市真備町地区の浸水地域は、市が作成した洪水・土砂災害ハザードマップの想定とほぼ重なっていました。専門家は「改めて重要性を認識し、災害時には一人一人が当事者意識を持って行動を取る必要がある」と指摘しています。

ハザードマップの作成・周知は2005年に義務化されて以降、各自治体で取り組みが進みました。各自治体は地域の特性に応じたマップを作成し、住民に配布したりインターネット上に掲載したりして周知しています。

まず本区のハザードマップは、現在の区の状況にあったものとなっているでしょうか。お答えください。

これら地域の危険性について、住民に周知され十分に理解が進むよう、早急な対応が急がれますが、今後の対策について伺います。

次に液体ミルクの備蓄について伺います。

厚生労働省は、乳児用液体ミルクの製造・販売を可能にする規格基準を定めた改正省令を施行しました。これにより国内企業が製造・販売できるようになりました。子育て負担の軽減はもちろん、災害時の備えにもつながる待望の“解禁”であり、公明党が強く主張してきたものであります。

液体ミルクは常温で保存でき、容器に吸い口を装着すればすぐ飲める。粉ミルクのようにお湯で溶かしたり哺乳瓶の洗浄や消毒をする必要はなく、海外では広く利用されているようです。

国内で普及すれば、夜中や外出時も授乳が格段に容易になり、家庭にとってどれほど助かることでしょうか。

災害時、赤ちゃんの栄養摂取は代替えがききません。ぜひ本区の備蓄品に国産の液体ミルクを加えるよう検討してはいかがでしょうか。ご見解をお願いします。

次に防災情報の理解促進についてです。

台風や大雨による豪雨災害が頻発するたびに指摘されているのが、住民の逃げ遅れの問題です。先の西日本豪雨では、自治体の避難情報などの意味が十分に理解されていなかったと言われています。実はあまり正確に理解されていない避難情報や気象情報の意味をいま一度確認させていただきます。

自治体が住民に避難を呼び掛ける情報には、危険度が低い順から、避難準備・高齢者等避難開始、避難勧告、避難指示があります。これらは、災害対策基本法に基づき、市町村長が発令します。

本区としてはそれぞれ、どういう状況の時に発令するのか、お聞かせください。

避難勧告の時点で速やかに避難行動を開始するのが原則で、避難指示が避難を始めるタイミングではない点、ここを区民の皆様に認識し理解していただくことが重要と考えます。地域防災訓練など、今後の防災対策の中で取り組んでいただけたらと思います。いかがでしょうか。

一方、気象庁が出す気象情報としては、注意報、警報、特別警報などがあります。

「警報」は命に関わるような重大な災害が発生する恐れがある時に出されます。これまで発令された例を見ると、3、4割の確率で災害が自治体のどこかで発生しているのではないでしょうか。

そして、広い範囲で数十年に1度の大雨になる場合に、「特別警報」が発令されます。まさに“最後通告”で、特別警報の発令で避難を開始しても命の保証はできないような厳しい状況を意味します。

このほか、「記録的短時間大雨情報」は、数年に1度程度しか発生しないような短時間の大雨を観測・解析した場合に出されます。「土砂災害警戒情報」は、命に関わる災害が起こる可能性が2時間以内に迫った場合に発令されます。

情報に加え、一人一人が自らの命を守るためにも、事前にハザードマップ(災害予測地図)上で、住む地域の土砂崩れや浸水の危険性や避難ルートなどを確認しておくことが大切です。身近な地域の災害特性を知って初めて、情報を的確に活用できることと思います。

区民にとってこれら防災情報の言葉に意味するところが理解され、的確な心構えと行動が伴うことによって、自らの命を守り、地域を守ることにつながります。この防災情報の区民理解の促進について、区のお考えをお聞かせください。

ところで東京都は土砂災害防止法に基づく基礎調査を終え、今後は同法に基づく区警戒区域等を豊島区内でも指定する予定とのことですが、近隣住民にとってとても不安になる情報です。危険個所の解消のための対策はどのようにとるのでしょうか?

次に災害時の情報伝達手段についてです。

ある調査機関によると、家庭でのパソコン保有世帯よりも、スマートフォン保有世帯の方が上回ったとのことです。

兵庫県伊丹市は防災マップ情報をスマホやパソコン、タブレットで見られる「web版伊丹市防災マップ」を開始しています。例えば避難所や避難場所、AED設置場所、防災備蓄倉庫、屋外拡声器、市内に約1000台ある見守りカメラなどの場所を地図上にアイコンで表示。アイコンをタッチすると住所も表示される。GPS(全地球測位システム)機能で自分の現在地が分かるので、今いる場所から近い避難所や防災備蓄倉庫などの位置関係が分かるように工夫されています。

災害時の情報伝達の手段として、電話やパソコンが使えなくても住民が迷うことなく防災拠点や避難所にたどり着くことができるようにするため、民間事業者の技術や知恵を活用してスマホ向けの防災マップアプリの発信を検討してはどうかと提案します。災害時にスマートフォンで命を守る情報を得られる体制について、ご所見をお聞かせください。

次に本区が停電した時の対応策についてです。

今月起きた北海道の地震による大規模停電の際に、住宅用太陽光パネルが非常用の電源として、活用されたようです。太陽光で発電した電気を、家庭内に設置した専用コンセントから電気を使えるようにしたものです。太陽光ですので天候の影響や夜間に使えないなどの問題はありますが、東日本大震災の際にもテレビや携帯電話の充電に使用できたとのことです。

フランスでは昨年、「樹木型ソーラーパネル、ēツリー」を設置し、太陽光による電源で街角でも携帯電話の充電ができる、樹木が広がっているようなソーラーパネルなので、木陰で休む姿も見られるとのことです。

これら事例は、日常生活の電気量には至らないものの、わずかでも電気が使えることは、精神的にも有効なことではないでしょうか。

災害時、区内で停電が発生した時の対応について、ご所見をお聞かせください。

次に災害対策に受援力を向上させることについて伺います。

一昨年4月に発生した熊本地震での、益城町は、最も被害が大きかった自治体でしたが、全国から応援に駆け付けた自治体職員を活用しきれなかったと聞きました。

これは益城町に限ったことではありません。同様の事態が東日本大震災でも起きていたと言われています。窮状を受け、全国の自治体に限らず、NPO法人やボランティアなどの民間、さらには世界各国からも続々と人も物資も集まってきました。しかし、自治体自体が大きな被害で役所機能を喪失したこともあって、応援職員や支援物資を受け入れても生かすことができないミスマッチや、滞留する事態が各地で見られたわけです。

これら災害時の支援を円滑に受け入れるため自治体の「受援力」が、改めて問われています。

地震はどこでも起こり得る。想定される首都直下地震や南海トラフ巨大地震が発生すれば、被災自治体だけでは対応しきれず、広域支援が不可欠です。受援力を高めることは、支援する側の力を最大限に発揮することにつながり、早期の復旧・復興にも直結するのではないでしょうか。

受援と支援は表裏一体、実効性を高めるため、より具体的計画が求められますが、本区の受援体制の構築について、ご所見を伺います。

5番目に教育での課題について質問します。

はじめに学校体育館の冷暖房設備についてです。

今年の夏は肌を刺すような大変な猛暑により、熱中症にかかった人が大勢いらっしゃいました。6月の大阪北部地震やその後の相次ぐ災害により、避難生活を余儀なくされた方々も多数に及びました。

そのような中、異常な猛暑から子どもたちを守らなければなりません。それには学校で過ごす屋内は、すべからく冷房設備が備わっていることが、必須の状況です。すでに区立小中学校の教室には冷暖房設備が整っていると思いますが、体育館空調は未だ整備が追いついていません。

現時点での体育館空調は、冷房無しが小学校で19校、中学校が5校。暖房無しが小学校で17校、中学校が3校という状況です。以前、体育館空調の整備についてお尋ねした際は、学校改築に合わせて整備していくとのことでした。

今夏の暑さでは、もう待ったなしと言っても過言ではないと考えます。区立小中学校は本区の救援センターにも指定されています。災害対策の面からも学校体育館の冷暖房設備の導入が急がれますが、いつまでに実施されるのでしょうか。この際導入に向けての計画をお示しいただきたいと考えますが、ご見解を伺います。

次に子どもの登下校防犯対策についてです。

登下校の安全対策については、主に地域の主体的な取り組みに委ねられてきています。ただ、全国的には午後3時から6時の下校時間帯に被害が集中している点や、住民の高齢化や共働き家庭の増加により、「地域の目」が行き届かない「見守りの空白地帯」があるとされています。

このほど学校や保護者、地域住民の方々による通学路の緊急合同点検が進められていると思いますが、買い物途中や、犬の散歩のような日常活動の中で「ながら見守り」をしていくことも担い手の裾野を広げる試みとして期待できます。あらゆる知恵を絞り、子どもたちの安全を守っていきたいと考えます。

現在学童クラブにおいて「入退出管理システム」が導入され、保護者から安心の一助として大変に好評です。一方通学路の子どもの安全確保は待ったなしの状況です。防犯カメラの更なる活用や、警察、学校、自治体、地域ボランティアが力を合わせ、より一層の子どもたちの安全を守り切っていかなくてはなりません。

子どもの登下校の安全を守り切るためにも、あくまでも地域が協働して児童を見守ることを目的としながら、さらにICタグを利用した、子どもたちが校門を通過すると保護者にメールで通知するような、児童見守りシステムを全小学校において導入していただきたいと考えますが、ご所見をお聞かせください。

次に小中学校の英語力アップについてお伺いいたします。

英語は今や世界共通語です。グローバル化の時代にますます英語が重要になってくると思います。積極的に英語を学び、会話もできるような人材教育が必要です。多くの児童生徒が身近に英語を感じていけるように、環境を改善していくことも大切であると考えます。

はじめに本区の小中学校の英語教育の現状をお伺いいたします。

次に英検の活用についてです。

実用英語技能検定は、学校や企業、実社会においても広く認知されている資格試験であり、文部科学省も中学校3年生の卒業段階で英検3級程度の取得を目標として示しております。生徒が英語検定を一つの目標として学習に励むことは、学力の向上ばかりか、学習意欲の向上にもつながるものであり、有効な方策であると考えられます

横浜市は、昨年から小学6年生と中学3年生が実用英語技能検定、英検に挑戦するモデル事業を始めました。モデル校の小学6年生と中学3年生全員に、それぞれ児童英検、英検3級を受検させ、その受検料は公費で負担するという取り組みです。

英検という外部の試験に挑戦することで自分の英語力を把握でき、それによってこれからの改善点、目標を明確にするなど、今後に生かすことができます。

希望する全ての子どもが英検受検にチャレンジできるよう、公費負担も含めて、是非検討していただきたいと考えますが、ご所見を伺います。

最後に実践を通じて英語力を伸ばすことについてです。

海外にいるような環境で実践的に英語が学べる体験型施設「TOKYO GLOBAL GATEWAY(トーキョー・グローバル・ゲートウェイ、TGG)」が今月オープンしました。主に小中高生向けに、英語のレベルや発達段階に合わせた多彩なプログラムがあります。

TGGは総面積約7000平方メートルの中で、英語を使う「アトラクション・エリア」と、英語で学ぶ「アクティブイマージョン・エリア」の二つの体験エリアを備えています。

それぞれのエリアでは、日常で起こりうるシーンに必要な“生きた英語”が学べたり、グループワークによる授業を通じて英語で各テーマを学習できるものです。

この施設では、新たな英語教育法を積極的に取り入れ、英語力に加え、思考力や専門的知識の向上も期待されています。

この海外留学を疑似体験するような施設を活用するなど、「実践を通じて英語力を伸ばす大切さ」について教育長のご所見をお聞かせください。

以上で一般質問全部を終わります。ご清聴ありがとうございました。

公明党 西山陽介議員 30年第三回定例会 一般質問 答弁

ただいまの、西山陽介議員のご質問に対しまして、お答え申し上げます。

東アジア文化都市開催に向けてについてのご質問のうち、まず、豊島区の未来を担う人材の育成の具体的な取組みについてのご質問にお答えいたします。

昨年8月に採択された「東アジア文化都市サミット 京都宣言」には、未来の担い手である若い世代の交流に継続して取り組むことが盛り込まれました。そして今年の金沢市でも陶芸制作などを通した日中韓の子どもたちを主役とした交流事業が実施されています。

また、東アジア文化都市の生みの親でもある近藤誠一元文化庁長官から、「若い世代、青少年の交流は重要である」とお話をいただいいているところであります。

私も、未来を担う人材を育成することは次の点で非常に重要であると認識しております。

若い世代が地域で展開している文化に触れることで、ふるさと豊島への郷土愛を育むこと。他国の文化との違いを目の当たりにすることで、自国の文化への愛着を深めること。中韓の同世代と交流することで、将来の国際アート・カルチャー都市としまを担う国際性豊かな人材を育成することであります。

さらに、オール豊島での推進体制を構築する上でも、子どもを核とした子育て世代の参画は欠かすことのできない要素であると認識しております。

これまでも、シンボルロゴの投票や私は未来の歌唱などに取り組んでまいりましたが、漸く中韓の都市が正式に決定したことから、中国「西安市」及び韓国「仁川広域市」と具体的な話し合いを進めながら、具体的な検討段階にはいることになります。相互派遣や、事業に関連した交流ワークショップ、区内小中学生の鑑賞支援など積極的に提案してまいりたいと考えております。

次に、東アジア文化都市2019豊島にかける意気込みや最も注力する視点についてのご質問にお答えいたします。

私は、8月30日第10回日中韓文化大臣会合が開催された中国のハルビン市に林芳正文部科学大臣、宮田亮平文化庁長官とともに行ってまいりました。2019年の東アジア文化都市決定の称号を授与されたとき、その重みを感じながら、これまでの歩みが走馬灯のように頭を駆けめぐりました。

奈良や京都など国内の錚々たる文化都市に続いて、さらに西安や仁川など歴史を誇る大都市をパートナーとして豊島区が日本の代表としてその場に立つことができたのも、どんな状況でもぶれることなく文化を中心に据えながら様々な施策を展開してきたこれまでの区政運営の成果であります。

2019年の1年間この国家的プロジェクトを担い、成功に導くことで、豊島区が目指す都市像である、「国際アート・カルチャー都市」の実現に大きく近づくとともに、日本を代表する文化芸術創造都市としての地位を揺るぎないものとすることができると確信しているのであります。

したがいまして、私は、東アジア文化都市の開催にこれまで培ってまいりました経験と持てる力の全てを傾注し東アジア文化都市を成功に導いてまいる覚悟であります。

特に力を注ぐ視点は、豊島区が誇る「マンガ・アニメ」であると考えています。

東アジア文化都市事業については、常にマンガとアニメのまちとしての特性を強くアピールしてまいりたいと考えてまいりましたが、豊島区がマンガとアニメによって注目されているということは、今回のハルビン出張で確信に変わったところであります。マンガ・アニメは、今や、世界のメインカルチャーであることを確信いたしました。

東アジア文化都市2019豊島と池袋のまちを紹介するプロモーションビデオをいずれもアニメーションで製作しておりまして、11月6日のシンポジウムでは東アジア文化都市のPRアニメを、12月5日の金沢市の閉幕式典では池袋のPRアニメを順次公開いたします。

これまでの開催都市では実写映像を基本にビデオを作成してきましたが、それらとは一線を画し、「アニメの豊島ここにあり」とご覧になったみなさんの心に強く印象付けることができると考えております。

来年の新年名刺交換会や成人式についても東アジア文化都市を全面的に押し出すことで、2月1日の開幕式典に向けて大いに盛りあげてまいります。

2020年の東京大会はもちろん、さらに先を視野に入れながら、国際的なアニメ映画祭や見本市、秋のコスプレイベントなどを前面に展開しながら、豊島区の魅力を世界に発信していきたいと考えているところであります。

また、豊島区が文化庁長官表彰を受賞した理由の一つでもありますが、これまで区民の皆さんとともに文化を中心に据えたまちづくりを進めてきた実績があります。

東アジア文化都市では、年間を通じて祝祭性溢れるイベントを、子どもを含む区民の皆さんとともに、オールとしまで実施していきたいと考えております。

次に、高齢化への対応とフレイル予防についてのご質問のうち、まず、高齢社会対策プロジェクトの目的と目指すべき目標、及び目標達成に向けた具体的取り組みについてのご質問にお答えいたします。

本区ではこれまで、高齢化の進展を常に念頭に置きながら、福祉・保健、健康づくり、コミュニティづくり、生涯学習、災害対策、交通安全対策など、様々な施策を展開し、分野ごとには全国的に注目されるような取り組みも行ってまいりました。

しかしながら、高齢化に対応すべき分野は全庁にわたっており、全体としてはなかなか統一した方向性を持ててきませんでした。

このような中で、高齢化に関係する様々な関係者の総力を結集し、本区の実情に合ったより効果的で総合的な施策展開を図ることにより、全国のモデルとなる、高齢者に選ばれるまちづくりを進めていくことが、本プロジェクトの目的であります。

目標としましては、「高齢者にやさしいまち日本一」を目指していきたいと考えておりますが、健康寿命や主観的健康観等の具体的な数値目標を設定し、1月に策定予定の高齢社会対策推進ビジョンの中でお示ししてまいります。

また、目標達成に向けた具体的取り組みについては今後の検討になりますが、持続可能な高齢社会であるためには、区民の皆さんが健康であり続けること、病気となった場合も重度化しないことが大変重要であります。

そこで、「予防・健康」の取り組みとして、医療・介護のデータを活用した効果的な疾病予防・介護予防が図れないか検討したいと考えております。

また、特定健診・がん検診等の一層の受診率向上を図るなど、高齢者のみでなく全ての世代の支え合いを含む効果的な施策を検討し、高齢社会対策を総合的に推進してまいります。

次に、加齢に伴う虚弱化をどのように遅らせ「健康寿命の延伸」を図るのかについてのご質問にお答えいたします。

高齢者が加齢とともに、筋力や認知機能など、心身の活力が低下し、その際、適切な支援の手がなければ、生活機能の低下、要介護状態へと繋がり、健康を維持することができなくなります。ご質問の通り、フレイルには、早く気づき、正しく支援していくことで、予防や治療が可能となり、健康寿命の延伸に繋がります。

区では、今年3月に「豊島区健康プラン」を策定し、その中で、高齢者について、「健康で自立した生活が長く送れるように支援」していくことを目標に掲げております。その上で、高齢者が地域との繋がりを保ち、自分の健康を管理しながら、自立した生活が送れるように、区といたしましては、長寿健診や介護予防事業をはじめとした、様々な施策を展開しながら、区民の皆さんの「健康寿命の延伸」を図って参ります。

 

次に、口腔機能低下を計測できる機器を導入しフレイル予防へ活用することについてのご質問にお答えいたします。

口腔機能の低下は、口の中の衛生状態や乾燥、咬む力や舌の運動機能、飲み込む力などを評価することで診断され、舌圧計と咬合力(こうごうりょく)分析計を活用することが、有効であると考えております。

今後、区としても、様々な介護予防に係るプログラムと合わせ、フレイル予防に取り組む中で、ご提案のあったオーラルフレイルに係る機器の導入について、歯科医師会等と協議をしてまいります。

次に、フレイル予防の普及、啓発における区の認識についてのご質問にお答えいたします。

高齢者が増えている現代においては、人生100年時代を豊かに生きるため、フレイルになることのリスクに早く気づき、正しい治療や予防を行うことが何よりも大切です。

区はこれまでも、健康寿命の延伸をめざし、介護予防を推進してまいりましたが、今後は、食や栄養、口腔機能など、フレイル予防に着目した取り組みを進めることが重要と考えており、フレイル予防の普及・啓発に着手し始めております。

去る9月14日には、フレイル予防啓発の第一歩として、広報としま特集号において、フレイル予防を大きく取り上げました。

今後も、介護予防大作戦や介護予防センターでの取り組みを始め、区民ひろばなどへの出前講座、保健所や図書館とも連携するなど、あらゆる機会をとらえ、フレイル予防に関する啓発を行ってまいります。

次に、フレイル予防策としての栄養摂取、運動、社会参加の現在の区の取り組みについてのご質問にお答えいたします。

まず、区では、高齢者の生きがいづくりや健康づくりのために、「元気あとおし事業」や、区内事業者の皆様のご協力を頂いて実施している「としま健康チャレンジ事業」など、外出や社会参加の機会を増やし、その結果として様々なサービスを受ける特典が得られる、区独自の事業を展開しております。

さらに、通いの場づくりとして、「介護予防センター」や、今般、新設が予定されているフレイル予防に関する施設整備、長寿健診、多彩な健康教室や講演会、食育イベントも実施しており、今後も引き続き、組織横断的に、高齢者の皆様に、様々な選択肢を提供して参ります。

次に、フレイル予防サポーターの養成及び活動拠点の設置等、高齢化への対応にフレイル予防を位置づけることについてのご質問にお答えいたします。

現在、区においては、介護予防サポーター養成事業を行っており、101名の登録者が、各種測定会の測定補助、運動プログラム事業での実技補助などを担い、各所で活躍されています。

また、介護予防リーダーの養成も行い、住民主体の活動の場の創出につなげており、現在は41人のリーダーが活躍されています。

今後は、この介護予防のサポーターやリーダーの皆さまに、フレイル予防サポーターとしてもご活躍いただきたいと考えているところでございます。

そのためには、伝えていくための知識を学ぶことや、健康意識をさらに向上させるための講座の開催などが必要となってまいりますので、効果的なカリキュラムを検討するとともに、フレイル予防サポーター養成の仕組みを構築してまいります。

また、現在、フレイル予防の機能を備える多機能型介護予防センターの整備について準備を進めているところでございます。

これらフレイル予防に関する事業については、重要な施策と位置づけ、着実に進めてまいります。

次に、高齢者が健康でいきいきと暮らせるための指針の策定についてのご質問にお答えいたします。

健康長寿のまちづくりに当たっては、若年期からの健康づくりをはじめ、個々の状況に応じた多様な就労や生きがい活動の場づくり、鉄道駅や街なかのバリアフリー化など、ハード・ソフトを含めた総合的な対策が必要となってきます。

このようなまちづくりは行政のみで進められるわけではなく、町会や民生委員・児童委員、医療関係者、福祉事業者、民間企業など、さまざまな関係者が力を合わせ、「オールとしま」で進めていく必要がございます。

関係者が共通の方向を目指していくためには、共通認識を醸成し、方向性を示す指針を策定していくことが大変有効であると考えております。

そこで、1月に策定予定の総合高齢社会対策推進ビジョンの中で区としての今後の大枠を示しつつ、来年度設置予定の「推進協議会」の中で、指針の策定も含め、今後のあり方を協議し、健康長寿のまちづくりを実現する上で最善の方策を検討してまいります。

5番目の教育の課題として、学校体育館の冷暖房設備の導入についてのご質問いただきました。

本来でしたら、教育長答弁となりますが、今定例会一般質問において、各会派の代表として全会派から学校体育館の冷暖房設備導入のご質問をいただいております。

全会派・全区民からの要望と重く受け止め、再三にわたり教育長をはじめ、担当部長・担当課長と討議、検討の上で政治的判断をいたしました。それでは、答弁に入ります。

全ての小中学校の体育館は、日中における体育の授業をはじめ、始業式や終業式など全校で集まる行事に使われております。

また、放課後では、部活動の練習場所や日常的な子どもスキップの活動場所にもなっています。さらに、夜間や土日では、各種スポーツ団体などが利用しており、ほぼ予約で埋まっている状況です。このように体育館の利用は、児童・生徒をはじめ、施設開放として多くの方々が使用している場所であると認識しております。

加えて体育館は、災害時においては救援センターとしての機能が求められており、被災された方々が生活する場ともなることから、冷暖房の設備が必要となることは極めて自然と考えております。

児童・生徒や地域住民の方々が様々な場面で利用する体育館では、昨今の台風や地震の頻発にも鑑み、暑さ寒さ対策の必要性が極めて高くなっております。

従いまして、以前からもご要望を頂戴いただいておりましたが、冷暖房設備のない小中学校の体育館には、来年度中を目標にしまして、様々な課題がありますが、小学校19校、中学校5校、さらには池袋第一小学校の仮校舎として使用する旧文成小学校も含めまして、全校(24校)で一斉導入できるよう準備を進めてまいります。

なお、私からの答弁は以上ですが、その他の質問につきましては、呉副区長並びに危機管理監から、教育委員会の所管に属する事項につきましては、教育長から答弁申し上げます。

池袋本町・上池袋地域における木密地域不燃化についてのご質問のうち、まず、池袋本町・上池袋地域不燃化促進の進捗状況についてのご質問にお答えいたします。

市街地の燃えにくさを表す指標として不燃領域率というものがあります。これは、建築物の不燃化や道路、公園などの空地の状況から算出し、不燃領域率が70%を超えると、大震災時でも市街地の延焼はほとんど抑え込まれるといわれています。

木密地域不燃化に取り組み始めた平成3年当時の上池袋地区の不燃領域率は45.0%、平成8年当時の池袋本町地区の不燃領域率は53.1%という状況であったため、平成26年4月に東京都の不燃化特区の指定を受け、平成32年度までにこの両地区の不燃領域率を70%まで向上させることを目標として、不燃化助成を開始いたしました。

これまでの助成実績は、8月末時点で、老朽建築物の除却が49件、建替えが34件となっております。

また、空地の確保にも取り組んでおりまして、例えば、池袋本町2丁目では、約1500㎡の用地を取得し、32年度開設予定の公園として設計中でございます。

また、上池袋4丁目や池袋本町4丁目では、6mに拡幅すると避難上有効と考えられる道路を防災生活道路として指定し、現在は、その道路沿いの用地の取得交渉を行っているところでございます。

このような取り組みにより、現在のところ、上池袋地区の不燃領域率は、61.4%、池袋本町地区の不燃領域率は、62.5%まで向上しております。

今後もさらに市街地の不燃化や空地の確保を加速させ、安全安心のまちづくりを目指してまいります。

次に、特定整備路線補助73号線、82号線の現在までの進捗状況及び平成32年度までの整備目標に対する現況と課題についてのご質問にお答えいたします。

東京都の事業である特定整備路線補助73号線の昨年度末の用地買収率は23%、82号線は29%であり、今年度に入って用地取得はさらに進んでいると聞いています。

次に、整備目標に対する現状と課題でございますが、東京都の「防災都市づくり推進計画」の中で掲げられている特定整備路線の平成32年度までの整備の実現には、今後さらに用地買収を加速させる必要があると考えられます。

このような状況の中で、代替地や一人暮らしの高齢者が安心して住むことのできる住宅が不足しているということを聞いております。

このため、さらに効果的に事業を進めていくためには、代替地の確保や従前居住者対策を充実させることが課題であると考えております。

まず、この地区では、UR都市機構に対し、区よりも柔軟に代替地となる土地を取得できる事業の実施を平成29年度に要請しており、今後、居住環境総合整備事業等を活用する区と補完し合いながら用地取得に取り組んでいくことにしております。

従前居住者対策につきましては、区内では東池袋地区において平成4年に全国初の従前居住者住宅を9戸建設、さらにUR都市機構に対し、20戸の従前居住者住宅の建設を要請し、現在、32年度末竣工を目指して、設計を進められています。

池袋本町・上池袋地区においても、今後の特定整備路線の整備状況を鑑み、UR都市機構に対し、従前居住者住宅の建設の要請を検討しております。建設候補地の選定については、区も協力して取り組んでまいります。

次に、旧文成小学校跡地への生活インフラの集約の要望に対する区の認識と今後についてのご質問にお答えいたします。

旧文成小学校跡地については、平成32年度から平成34年度の途中まで、池袋第一小学校の仮校舎として使用する予定でありますが、それ以降の利用について、現時点では決定しておりません。

区内に残された貴重な大規模敷地である学校跡地については、区民の皆様全体の共通の財産であるとの認識のもと、できる限り幅広い区民ニーズに応える形で活用を進めてまいりました。旧文成小学校跡地についても、同様の方針であります。

一方で、補助73号線、82号線の整備に伴い、地元の病院や商店街の一部が転出を余儀なくされることについて、地域の皆様からご心配の声があることは、区としても十分認識しております。

旧文成小学校跡地の活用案については、学校施設の長寿命化計画の検討状況など、豊島区全体の行政課題を踏まえつつ、地域の皆様の声を丁寧にお伺いしながら、検討を進めてまいります。

私からの答弁は以上でございます。

防災・震災対策についてのご質問のうち、まず、ハザードマップが現在の区の状況にあったものとなっているかについてのご質問にお答えいたします。

本区では、東京都が作成した浸水予想図を元に、神田川、石神井川、隅田川の浸水予想を踏まえ、内水(ないすい)被害を考慮した「洪水ハザードマップ」を作成しています。想定している雨量は、総雨量589ミリ、時間最大雨量114ミリを記録した平成12年9月の「東海豪雨」を基準にしております。

東京都では平成30年3月、総雨量を690ミリ、時間最大雨量を153ミリに上方修正した、神田川流域の浸水予想区域の改定を行いました。区は東京都から詳細なデータを取り寄せ、最新のデータに基づく新たな洪水ハザードマップを早急に整備してまいります。

さらに石神井川、隅田川流域の浸水予想区域も順次改定予定とのことですので、改定がされ次第、新たな洪水ハザードマップを整備してまいります。

次に、地域の危険性の住民への周知に関する今後の対策についてのご質問にお答えいたします。

区は洪水ハザードマップをホームページに掲載するとともに、改訂版の作成後は区民の皆さまに配布を行うほか、今後、東京都が予定している区内の土砂災害警戒区域等の指定に伴い、新たに土砂災害用のハザードマップを作成し、該当区域周辺の皆さまに、避難場所や避難経路についての周知徹底に努めてまいります。

次に、国産の液体ミルクを備蓄品に加えることについてのご質問にお答えいたします。

現在、海外で製造されております乳児用の液体ミルクは、賞味期限が5か月程度と短く、かつ一定の温度以下での保管が必要であり、備蓄には不向きと認識しております。一方、区といたしましても、液体ミルクの有効性は十分認識しており、今後、国内での製造が開始された場合には、その保存期間や保存要領等も見極めながら、備蓄に関する検討を行ってまいります。

次に、どういう状況の時に区民の皆さまに避難情報を発令するかについてのご質問にお答えいたします。

区では、災害対策基本法に基づき、危険が切迫した場合に区長が警察署長及び消防署長と協議のうえ、避難勧告または指示をすることになっております。本区におきましては、「特別警報」あるいは「土砂災害警戒情報」が予測される場合が、避難勧告等の発令の目安になるものと考えております。いずれにしましても、区民の皆さまの生命を守ることを第一とし、空振りを恐れることなく、適切な避難情報を発令してまいります。

次に、避難を始めるタイミングを区民の皆さまに理解していただくための取り組みについてのご質問にお答えいたします。

近年、日本各地で過去の経験を超える災害が多発している状況では、気象情報をはじめあらゆる災害情報を分析し、事態の進展を予測しつつ、区民の皆さまの避難のタイミングを見極めたうえで、避難勧告等を発令することが重要だと考えます。このため、日頃から区民の皆さまに、ハザードマップ等の危険情報とその前提条件を認識していただくとともに、避難勧告等が発令された場合、躊躇することなく避難を開始すべきであることを周知してまいります。

次に、防災情報の区民理解の促進についてのご質問にお答えいたします。

区民の皆さまが防災情報を理解し、それを生かしていただくために、洪水ハザードマップおよび土砂災害ハザードマップに、防災情報や避難の心構え等をわかりやすい表現で記載し、区民の皆さまが地域特有の危険情報を理解し、適切に行動していただけるよう、各種防災訓練や区民向け防災ボランティア講座、地域の勉強会等のあらゆる機会を活用し、周知を図ってまいります。

次に、土砂災害等の危険個所の解消のための対策についてのご質問にお答えいたします。

区では、まず区有施設を最優先とした対策の検討に着手しています。今後、危険個所の解消に向けて、東京都と協議を重ね、必要な施策を進めてまいります。

次に、災害時にスマートフォンで命を守る情報を得られる体制についてのご質問にお答えいたします。

区といたしましても、防災マップ等のWEB化は有効であると考えております。このため各種防災マップ、AED設置場所や一時滞在施設、救援センター等の情報を多言語対応でWEB化し、区民の皆さまはもとより、外国人の来街者もスマートフォンで必要な防災情報等をより有効に活用できるよう、施策を進めてまいります。

次に、災害時に区内で停電が発生した時の対応についてのご質問にお答えいたします。

東京湾北部地震が発生した場合、区では最大10%の世帯で約1週間停電すると予測されています。このため各救援センターに発電機を設置し、最小限の電力の供給ができるよう準備しています。北海道胆振(いぶり)東部地震における「ブラックアウト」でも明らかになりましたが、現在の社会では災害情報や生活に必要な各種の情報を得るためにスマートフォンや携帯電話の活用は重要な手段の一つです。今後、必要な施策の検討を進めてまいります。

次に、区の受援体制の構築についてのご質問にお答えいたします。

区では、災害時における受援体制の整備を応急対策とともに、迅速な復旧・復興を実現するために必要不可欠であると考え、6月に「豊島区災害時業務継続・受援体制検討会議」を設置し、全庁的な検討を開始いたしました。

熊本地震等の教訓から、災害時に区が他自治体からの応援を受けて実施する「非常時優先業務」を明確化し、受入準備を進めておくことが、応援の効果的な活用につながります。そのため、今年度は、平成24年5月に策定した「豊島区業務継続計画」を見直し、「非常時優先業務」の選定に取り組みます。

また、来年度は、業務継続計画で明確にした非常時優先業務について、今年1月に策定された「東京都災害時受援応援計画」との整合を図りながら、他自治体からの応援を円滑に受け入れ、速やかに実施できるよう応援人数や職種、時期などを具体的に示した「豊島区災害時受援応援計画」を新たに策定し、区の受援体制の実効性を高めてまいります。

私からの答弁は、以上でございます。

引き続きまして、教育委員会の所管に属する事項に関するご質問に対しまして、お答え申し上げます。

教育での課題についてのご質問のうち、まず、ICタグを利用した児童見守りシステムの全小学校での導入についてのご質問にお答えいたします。

登下校時の子どもの安全確保につきましては、通学路防犯カメラの設置や、主に交通安全を目的とした学童誘導員の配置とともに、地域の皆様方の暖かい見守りに支えられ、取り組んでまいりました。しかしながら、ご指摘のとおり、地域の見守りの担い手不足、子どもたちの放課後の過ごし方の多様化等により、従前の対策だけでは対応が難しくなっているという現状認識をしております。

現在、学童クラブの入退出管理システムをはじめ、児童にビーコン等を持たせ、それを検知するポイントを通るたび、保護者にメールで知らせるシステムなど、ⅠoTを活用した様々なサービスが提供されつつあります。いずれのサービスも児童の位置情報は、リアルタイムで保護者に届き、保護者の安心感につながる等、一定の有効性は認められております。一方で、万が一事件が起きたときには、後追いの情報であるという欠点があります。

子どもたちが日々安全に過ごすためには、「守られる」だけでなく「自ら守る」力を身に付けることが非常に重要です。インターナショナル・セーフ・スクール認証校も6校と増えていく中、全校で子どもたちが自らの問題として、危険な場所を確認する安全マップの作成などに取り組んでいます。このように、子どもたち自身が、危険を予測し回避する能力を身に付け、自らを守ることと、地域の皆様をはじめとした人の目によって、地域に守られることの両面が、安全対策として重要と考えております。

ICタグなど、これらを補完するシステムの導入にあたりましては、その特徴や効果、従来の見守りの不足をどのように補うのか等十分な検証が必要であると考えております。したがいまして、ICタグを利用した児童見守りシステムの導入につきましては、重要な関心を持って、引き続き検討を深めてまいります。

次に、小中学校の英語教育の現状についてのご質問にお答えいたします。

本区では、ALT(アシスタント・ランゲージ・ティチャー)を配置し、児童・生徒が身近に英語を感じ、話せる、使える英語の環境づくりに努めております。

小学校では、学級担任がALTとティームティーチングを組み、授業を実施しております。また、児童はALTの在校中、一緒に遊んだり、給食を食べたりしながら、会話の楽しさを体験しております。

中学校ではALTとのティームティーチングで英語だけで進める授業を中心に行い、生徒の英語によるコミュニケーションスキルを高めております。

このような環境整備の成果として、区の学力調査において、中学校の英語は、全国の平均得点率や平均達成率に比べ、大幅に高い数値を示しております。また、中学校の英語担当教員からは、小学校の英語活動とつながり、中学校1年生の英語力の高さを評価する声も多く聞かれる現状にあります。

次に、希望するすべての子どもの英検受検及び受検料の公費負担についてのご質問にお答えいたします。

本区においては、学習意欲と学力向上の一環として、現在「中学校水曜トライアルスクール」事業を展開しております。英検をはじめ漢字検定・数学能力検定等に対応できる能力を育てるため、外部指導員を中学校に派遣しております。検定受検を希望する生徒たちは誰でもこの講座を受けることができるよう体制を整えております。

「中学校水曜トライアルスクール」受講を希望する生徒たちが年々増えてきており、各校とも活気に満ちた状況であります。まずは、すべての生徒が実力を身に付け、受検を希望する誰もが挑戦できる機会を与えることが第一義的に重要だと考えます。また、受検料の公費による負担については、ニーズ調査も含め今後検討してまいります。

次に、実践を通じて英語力を伸ばすことの大切さについてのご質問にお答えいたします。

使える英語・話せる英語の力を身に付けていくためには、英語づくしで英会話の実践し、スキルアップしていくことが重要であるととらえております。

豊島区では平成17年から立教大学と連携協定を結び、小・中学生を対象とした「イングリッシュ・キャンプ」を年3回実施しております。子供たちが英語だけを使ってコミュニケーションする環境の中で、英語に慣れ、親んで英語力を伸ばすことができます。この9月にオープンした「TOKYO(東京) GLOBAL(グローバル) GATEWAY(ゲートウェイ)(TGG(ティー・ジー・ジー))」も、同様の体験型の英語学習システムを取り入れていると高く評価しております。

これらの手法も生かして、今後も豊島区の子供たちが「使える英語」を身に付けられるよう、英語教育を一層充実させてまいります。

以上をもちまして、西山陽介議員のご質問に対する答弁を終わります。