第2回定例会一般質問
「未来に希望輝く住み続けたい街豊島区をめざして―もう消滅なんて言わせません」

                     

            公明党豊島区議団 根岸光洋
平成26年6月25日(水)登壇

 

 私は、公明党豊島区議団を代表して一般質問を行います。

今年5月8日、日本創成会議の調査で、20~39歳の女性人口の減少などにより、全国の896市区町村が将来、消滅する可能性があると指摘されたことが発表されました。東京23区では唯一、豊島区がその中に含まれ、このニュースには多くの区民の皆さんも驚かれたことでしょう。しかし、その一方では、「住みたい街ランキング」第3位に池袋がランクインされたとの報道もありました。これらの発表を受けてさっそく本区では、高野区長を本部長とする「緊急対策本部」を設置しその対策が検討されています。これまで蓄積されてきた豊島区の魅力や底力を効果的に内外に発信し、若い人たちはもとより、多くの方が、豊島区に、住みたい、住み続けたい街であると思えるような街づくりが求められています。

私達、公明党豊島区議団は6月10日に区内の若者と女性の声を集めて高野区長へ緊急の申し入れを行いました。その要望を主として「未来に希望輝く住み続けたい街豊島区をめざして」サブタイトル~もう消滅なんて言わせません~と題して、以下

1.防災・減災対策について

2.質の高い教育について

3.青年が住みたい、住み続けたい魅力ある街づくりについて

4.その他として「臨時福祉給付金」及び「子育て世帯臨時特例給付金」について

 

の質問を致します。

 

1.防災・減災対策について

初めに防災・減災対策について伺います。首都直下地震はいつ起きてもおかしくない状況と言われています。現在、豊島区に住んでいらっしゃる方、これから豊島区に住みたいと考えている方にとって、本区の防災力や減災対策への取り組みは大きな関心事です。

来春の新庁舎竣工はまさにその期待を大きく担っていることと思います。そこで改めてお伺いしますが、新庁舎を中心とした都市災害に対する最新の防災力を十分に備えた整備の進捗状況をお聞かせください。

私は、昨年12月に愛媛県内子町と豊島区との防災協定締結式に出席をさせて頂きました。近隣自治体だけでなく遠く離れた豊島区との連携に大きな期待をされていることを感じました。本年第1回定例会において島村議員より、隣接区との連携について提案がありましたが、同時に災害の規模や状況によっては遠距離の自治体との連携も重要です。関東圏を始とする遠方自治体との協力を促進するため、今後の防災協定都市との連携についてお考えをお示しください。

今年の1月には防災・震災対策調査特別委員会で神戸市へ視察にいきました。阪神・淡路大震災当時のことについて「神戸市は震災前から、地震など自然災害の対策はしていましたが、まさかこんなに大きな地震が起きるとはほとんどの人が想像しておらず、このことが被害を大きくした一因でもありました」との担当者のお話はとても印象的でした。また、地域防災組織では、資器材が少なくしかも扱える人もほとんどいなかったことも被害を防ぐことができなかった一因であるとのことでした。震災後の取り組みにより、現在では地域防災組織が100%近く立ち上がっています。その一方で月日が経ち、繰り返し行われる防災訓練も「高齢化」「マンネリ化」「固定化」などの課題が顕著になってきたことを話されていました。本区においても同様の状況にあると思いますが、この課題についての対策も検討する必要があるかと思いますが、区のご見解を伺います。  次に、自助の重要性についてですが、こちらは年々、認識が大きく向上してきたと思われます。家庭でできる対策として、家具転倒防止などの対策もすすめられてきました。

加えて提案ですが「感震ブレーカー」の一つとして自動遮断装置の設置は高齢者世帯などには欠かせない対策であると思いますが購入助成の検討など、今後も取組みが必要と思われますがいかがでしょうか。

また、各家庭での飲料水や非常食、トイレの処理などへの備えはまだまだ十分とは言えないと思います。各家庭の防災力の強化は継続して進めていくことが必要不可欠です。区としてはこれらの各家庭での備蓄品の整備や連絡体制の確認など、災害時の対策への啓発をどのように進めていくのかお考えを伺います。

次に、救援センターの鍵の開閉について伺います。平成24年6月の第2回定例会で島村議員が、救援センターの鍵の開閉について質問したところ、「地域の方に鍵の管理をお任せする方向で具体的な検討に入る」との答弁がありましたが、現在の検討状況を伺います。また、地域によっては鍵の管理が難しいところもあるので、例えば、徳島県徳島市や三重県桑名市の小中学校、神奈川県大和市、東京都稲城市などで、避難所となる場所に「地震解錠ボックス」を補助装置として設置し、いち早く避難所の開設ができるような対策を講じています。本区でも同様に「地震解錠ボックス」を補助装置として導入することを検討されてはいかがでしょうか、ご見解を伺います。

 

さて、昨年8月21日の大雨では南大塚地域をはじめ区内で多くの浸水被害が起きました。その後、担当部署により雨水ますをグレーチング蓋へ交換するなど素早い対策が取られました。また東京都下水道局も「豪雨対策下水道緊急プラン」を発表し、都内4カ所の「75ミリ対策地区」のひとつに南大塚地域が指定され抜本的な対策案が示されました。今年3月に被害の大きかった南大塚地域にお住まいの方から、強い要望があり開催した「防災セミナー」には、地元町会長をはじめ、被災した住民、地域の方など80名を超える方が集まりました。防災課長、道路整備課長から対応について説明をして頂きました。また、私からも、昨年の浸水被害当時は工事中だった下水道管の再構築工事も終わり、さらに被害の大きかった地区の排水管バイパス工事もまもなく調査が行われ、春先までには完了することや東京アメッシュなどの精度も大幅に向上して今後、大雨の詳細な動きなどもわかるようになることなどお話させて頂きました。区民の皆さんの不安はすべて解消できたとは言えませんでしたが区や都、国の取り組みに大きな期待を寄せていました。国土交通省は水害被害の対策を強化するために「水災害に関する防災・減災対策本部」を設置して行政や企業、住民などが時間軸に沿って、いつ、誰が、何をするのかを事前に明確にしていく「タイムライン」と呼ばれる防災行動計画の策定を示しました。タイムラインはアメリカの災害で大きな成果をあげています。2012年にアメリカ東海岸を襲ったハリケーン・サンディは北米で130人以上の犠牲者が出るなど大きな被害がでましたが、ニュージャージー州沿岸部は4000世帯が被災したにもかかわらず、タイムラインに従い行政、住民などが協力して事前の防災行動を迅速に行った結果、犠牲者はゼロでした。国内では2011年9月の台風12号で甚大な被害を受けた三重県紀宝町が現在、タイムライン導入に向けた協議をすすめています。町の防災課の担当者は「いつ、誰が、何をするかという役割分担を明確にしたタイムラインをつくることで、住民や行政関係者の災害対応への経験不足を補える」と作成の意義を強調しています。災害の規模にもよりますが事前の対策として「タイムライン導入」を検討してはいかがでしょうか区のご見解を伺います。

 

2・質の高い教育について

次に、質の高い教育について質問いたします。豊島区ではこれまでも独自のカリキュラムによる「英語活動」の先駆的な取組みや全国から注目されている「がん教育」など教育力の高さは大いに評価されてきました。全国3番目のインターナショナル・セーフスクール認証校の朋有小学校に続く富士見台小学校の挑戦は、区内のすべての学校にも「セーフスクールの活動」が推進されていくことにつながると期待をしています。また能代市との教育連携は教師力や授業力の向上に大きな役割を果たしていると思います。そこで質問致しますが、教育連携の在り方についてこれまでの成果と今後の取り組みについて、教育委員会のお考えをお伺いいたします。

さて2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催は、大人はもちろん、子どもたちにとってもスポーツだけにとどまらない世界を身近に感じることのできるまたとない機会でもあります。オリンピック教育推進校として指定を受けた千川中学、仰高・目白・要の各小学校の取組みはどのように考えているのかお伺いいたします。また、多くの外国人と接することで、国際感覚を育む絶好の機会をすべての子供たちが共有できるよう積極的な取組みを期待しますがいかがでしょうか。

次に「郷土愛を育む教育」について伺います。横浜市では6月2日を「横浜開港記念日」として休日にし、全市民がお祝いをするそうです。公立の学校は休校になり、次代を担う子どもたちに横浜の歴史や文化に親しんでもらうために公共施設を無料開放したり、自分や家族の生き方、働き方の充実などのワーク・ライフ・バランスについて考える催しや、様々なイベントを通して横浜の歴史を学び街に対する愛着心が自然と育まれていくそうです。私の地元巣鴨小学校では運動会で「阿波踊り体操」や「全校阿波踊り」を地域の皆様と一緒になって踊り、夏の「東京大塚阿波おどり」には巣鴨小学校PTA巣鴨っ子連として校長先生と教職員、保護者、児童が参加しています。その思い出作りによって豊島区が好きだ!こんなにも豊島区には魅力があると自然な形で郷土愛を育みながら成長していく姿には、地元を愛する気持ちが芽生え大きくなっていくのではないでしょうか。郷土愛を高める教育の果たす役割が益々重要になってくると考えますがいかがでしょうか。そして、豊島で学びたい、豊島で学んで良かった、豊島が好きでたまらないという子ども達が増え、心身共に健やかに成長し、いつまでも住み続けたいと思えるようになることを期待いたします。

教育に関する質問の最後に「教育都市としま」の質の高い教育環境づくりについて教育長のお考えをお聞きします。

 

3.青年が住みたい、住み続けたい魅力ある街づくりについて

次に青年が住みたい、住み続けたい魅力ある街づくりについて質問致します。

内閣府が実施した意識調査では若い世代での未婚・晩婚化の進む理由については20~30代男性の回答は「経済的余裕のなさ」をあげる一方、同年代の女性では「独身の自由さを失いたくない」「仕事や学業に打ち込みたい」など男女の違いが示されました。仕事と育児の両立に向けた環境整備の必要性が強調されています。

昨年9月の第3回定例会で私は「青年の声を生かした文化・観光施策について」質問しました。これは若者のアイディアを生かそうとフェイスブックなどを活用してアイディアの募集をしてきた青年の代表の方たちと「豊島区の街づくりに若者の声を」との要望書を高野区長へ提出させていただいたことを基にした質問でした。これはまさに「消滅可能性都市」発表の前でしたが、若者が住みたい魅力ある街づくりへの提案であったと思います。そこには次のような要望がありました。1番目は、渋谷、原宿に負けない!イケてる池袋カルチャーの復活として、空き家、空き店舗を利用したセレクトショップ誘致やラジオ局を開局しての情報発信、2番目は、昨日の此島議員の質問にもありました、新婚家庭やファミリィー世帯への家賃補助制度やカーシェアリング、3番目は、区の施設や公園などに無料のWi-Fiスポットを設置し、災害時の通信環境の整備、4番目は、出会いを促す無料結婚相談所の設置でした。これ以外にも、外国人への情報発信や池袋をきれいにしてほしいとか、ラーメン№1決定戦の開催、もっと桜を楽しめるスポットの増設やスポーツができる施設を増設するなど、すでに区で取り組まれていることもありますが、改めてこの若者の声を基に質問をしたいと思います。6月17日に政府は「観光立国推進閣僚会議」を開き東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に訪日外国人を現在の2倍の年間2000万人に増やすことを目標に定めました。本区においては、池袋をはじめとして低料金のホテルが多く都内各方面への交通の便も良いことから東京観光の拠点となることが期待されています。先ほどの若者の声として、池袋への外国人旅行者の呼び込みを強化するために外国人旅行者向けの池袋ガイドブックの情報をネット上にて発信することが効果的であるとの質問をしましたが、現在の状況はどのようになっているのかお示しください。次に海外旅行者が日本に来て食べたい日本食の1位はすしで2位はラーメンとの報告があり、池袋は狭い面積で多くのラーメン店が集まり有名店も多くラーメンの食べ歩きにはもってこいの街であるとも述べました。最近、池袋に出店した、ユーグレナ(ミドリムシ)を日本で初めてラーメンに使った話題の店は健康と美容メニューもあり女性には大変に人気があるそうです。そこで提案しますが、外国人などの観光客や女性、若者の来街者を増やし賑わいの街を創出する為にも(仮称)池袋ラーメン№1決定戦の開催をしてラーメンの街をアピールしてはどうでしょうか。またこの(仮称)池袋ラーメン№1決定戦開催にあたっては結婚支援事業として若い男女の出会いの場として設定することも一案ではないでしょうか。南池袋公園新装オープンセレモニーとして開催することも考えてはいかがでしょうかお考えを伺います。「文化による街づくり」を進めてきた高野区長は「文化といっても、演劇や音楽だけに限りません。雑多な文化を取り入れていく方針です。ラーメン屋が増えてもいい、居酒屋が増えてもいい、それらもひとつの文化です。人が集まり、楽しめるのが文化だと思っています」とお話しされたことがあります。積極的な検討をご期待申し上げます。

またこれらに限らずに若者の出会いの場として区の各種行事で例えば豊島公会堂や中池袋公園や西口公園で行うイベントなどで未婚を対象とした「若者優先席」を設けるなどや池袋ラーメン№1決定戦優勝者のラーメン試食会を区の施設などの料理教室で開催して一緒に調理をしてその後、試食しながらコミュニケーションを図るなどはいかがでしょうかご見解を伺います。

昨日の此島議員の質問にもありましたが、私共会派としては、これらの若者支援、結婚支援事業を区と民間の活力がとうまくコラボして実現して欲しいと考えています。

鳥取市が平成22年に策定した「若者定住戦略方針」では「婚活活動をはじめとして、若者にとって魅力あるまちづくりを若者自らが実践する活動を支援するとともに、次世代を担う若者のリーダーを育成し、若者文化が息づき、若者がそれぞれの個性を活かし、地域で活躍できる仕組みを構築していきます」と記載されています。地方ではすでに多くの自治体が人口減少への歯止めを行政が深く受け止めて対策を講じていこうとしています。本区でも、若者の声、特にF1会議の開催などで女性の声を大きく反映させる取り組みがはじまり、大きな期待がもたれています。さらにあわせて都内では中野区についで多いといわれるM1層」いわゆる20~34歳の男性にもF1層の声を届ける意味と彼らの考えを区が直接聞く機会を設けてはいかがでしょうか。ご見解をお伺いいたします。いずれにしても消滅なんてもう言わせないためにも、豊島区の発展可能性を大いに発信しながら「女性と若者を大事にする施策づくり」をさらに推進することを望みます。

4.その他として

最後にその他として、「臨時福祉給付金」と「子育て世帯臨時特例給付金」についてお尋ねします。これは、消費税引き上げによる低所得者に対する影響を緩和するため、公明党の提案を受け実現となったものですが、7月中に対象者に申請書が送付され、その申請書を提出後、審査の決定がなされて振込が開始されると伺っています。申請漏れなどがないように丁寧な周知と説明、相談体制を取っていただくと共に振り込め詐欺や個人情報の搾取などに十分注意するよう喚起をお願いいたします。そこで現在掌握している対象者数や周知方法、申請から給付までの相談を含めた区の体制はどうなっているのかお伺いいたします。

いずれにしても豊島区が未来に希望溢れる魅力と可能性を十分に発揮していくことを念願して私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。